あかりを灯す
昨年末からの仕事がようやくひと段落して、ひさしぶりに気持ちの明るい週末。
途中あれこれトラブルは起きたもののまずは大過なく終わらせることができたので、困ったときの神頼みでさんざん弱音を聞いてもらった近所の氏神さまと神田明神にお礼のお参りに行ってみた。
寒空のもとの神田明神は、昨今のコロナ騒ぎの影響なのか、ふだんの週末に比べて人が少ないように感じる。
お参りをしてからいつものようにおしるこを買って、ベンチに腰掛けた。閑散とした境内を眺めながらおしるこの甘さを味わい、ほっと息をつく。
ほんと、忙しかったな。
けどなんとか乗り切れた。よかった。
身体も心も壊れなかった。人との関係も壊さなかったと思う。
ほんとよかった。
少し迷ってから、おみくじを引いてみた。
わが心奥までわれのしるべせよ
わが行く道はわれのみぞ知る
おみくじに記された歌に首をかしげる。
歌のあとには「理想のない人生は無意味。理想をもち夢におぼれず邁進せよ」と続いていた。
はっとする。
自分の理想は、夢はなんだったろう?
こうなりたい自分、こうありたい自分というのは、気がつくといつも現実に押し流されてしまっている。
このおみくじの言葉が示しているのは、懸案事項がひと段落したいまここで、ちゃんと立ち止まってみろ、ということじゃないのだろうか。
夢をなくしたままで、人生をただ過ごしてしまうつもりなのか、
それでいいのか、
そう言われているのではないかと思った。
社会人である以上、仕事をきちんとこなすのは当たり前のことで、毎日の生活を整えるのももちろん大事なことだ。
けれどそれだけが人生のすべてであるはずがない。
たとえいくつになろうとも。
人は夢を持っていいはずだ。
自分を人生の主人公にしていいはずだ。
心にかかげた理想が、いつか必ずこの道を照らす。
だから歩いて行こう。
また一歩、一歩。
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