晴れやかな別れ

大学の友だちがプチ同窓会をやるからと声をかけてくれて、いそいそと出かけて行った。
夜7時の新宿、予報になかった夕立に見舞われて濡れねずみになりながらたどり着いた居酒屋。入り口から店内を見渡せば、奥の一画でこちらに手を振る人たちがいる。
毎年必ず顔を合わせる人がいる一方で、卒業以来まったく会っていない人もいれば、そもそも本当に同級生だったのか思い出せない人もいたり。
けれど不思議なもので、あの18歳から22歳までの季節をお互いあの小さなキャンパスのどこかで過ごしていたというだけでなにか通じあうものがあって、久しぶりにずっと笑って過ごした。
卒業してから過ぎた20年以上の月日のなかで、今日のこの時間はたったの3時間で。
けれどこの3時間がこれからの歳月の、それが味気ないものであればあるほど、きらきらとした思い出となって自分の支えになるのだろう。
つらい毎日など誰も望んでいない。
できることなら明るい笑いに満たされていたい。
けれど人生がそんな都合のよいことばかりではないこともだんだんとわかってきて、それを噛みしめながら日々を暮らしている。
楽しかった時間の余韻に混じるほんのすこしの淋しさを、それでも晴れやかな思いで、駅頭、高く手を振って仲間と別れた。

陽は中天を過ぎて 2nd season

第二人生。 ここから歩いていこう、 鮮やかな夕映えのなかを。 大丈夫、自分はまだ生きている。

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