ことばのきらめき
「藤村詩抄」 島崎 藤村自選
昔は避けて通っていた詩とか短歌とかが、最近は読めるようになってきた。あまりに短すぎる言葉からなにを汲み取ればいいのかわからなかったし、妙に気取った意味の取れない言葉が使われているのも嫌で、学生の頃は国語で習う詩が本当に苦手だった。
今は逆で、饒舌すぎる小説や伏線があちこちに張られた推理もののほうが苦手になった。
で、島崎藤村。
解説に引かれた蒲原有明の評では、藤村のつかう言葉の平易さ、それでいながら、ひとつの詩となったときにそれらの言葉がうつくしく響くさまが賞賛されていて、まったくその通りだと思った。
平易な言葉が詩人の手にかかればこんなにもうつくしい。
目にも耳にも快い言葉の羅列にただただ、ため息をついて読み終わった。ひとつくらいは暗唱できるようだと格好いいのだけど。暗唱は自分にはハードルが高いのでせめて備忘がてら、ここに藤村の詩を転載。
「流星」
門(かど)にたち出でてただひとり
人待ち顔のさみしさに
ゆふべの空をながむれば
雲の宿りも捨てはてて
何かこひしき人の世に
流れて落つる星一つ
門(かど)にたち出でてただひとり
人待ち顔のさみしさに
ゆふべの空をながむれば
雲の宿りも捨てはてて
何かこひしき人の世に
流れて落つる星一つ
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