7月1日半夏生。

ベッドでうつらうつらとしていた夕方、気づけば雨は上がり、外はまだ真昼を少し過ぎたくらいかと思うほどの日差しだった。
少し迷ってからコンタクトを入れ、しばらくぶりでウォーキングシューズを出し、玄関の扉を開ける。すこしひんやりとする風が吹いていた。
今年もいつの間にか半分を過ぎた。
駆け抜けた、と言えるのなら格好いいが、実態は、恥ずかしいほどの失敗に終わった春先の大仕事と、あとになってみればなんだったかも思い出せないていどの雑務の山をとにかくさばいた毎日だった。
ふっと息を吐く。
スポーツドリンクを一口含んで、一歩を踏み出す。
シューズを履いた足は軽快に道をたどり、今にも走り出せそうだ。職場でまごまごしている自分とはなんて違うのだろう。面白いくらいに身体が軽くて、どこまでも歩いて行けそうな気がする。
自分の足で歩けるうちに歩いておかないと。
それは時々感じる強迫観念のようなものだ。
通りすぎる道端、家の前の植木鉢にゆっくりとした動作で水やりをするおじいさん。
ちいさな子どものままごとに付き合っているおかあさん。
自分の身体の都合であれ、家族の都合であれ、いつかこの自分の世界は半径を狭めてしまう。
だからその前に。

夕暮れの街をざくざくと歩いているうちに洗足池に出た。
折しも池のほとりには半夏生の群生。
夏が来る。

陽は中天を過ぎて 2nd season

第二人生。 ここから歩いていこう、 鮮やかな夕映えのなかを。 大丈夫、自分はまだ生きている。

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