テレパシー?

お昼休みが終わったとき外は雪で、窓を斜めに横切っていくその勢いの強さに少し驚きながら、コーヒー片手に自席に戻った。
隣の人に「すごい雪になったねえ」と声をかけようとして、机の上に広げられたいくつもの書類に気がついた。おしゃべりはまた後で、と口をつぐんで座る。
と、彼女が顔を上げ、不思議そうな表情でこちらを振り返った。
「いま何か話しかけました?」
いいえ。なんにも。
「おかしいなあ… ○○さんの声で『雪すごいね』って言われたような気がしたのに」
は?
それ、私の心の声。たしかにそう話しかけようとしてたけど、忙しそうだったから黙っていたんだよ。
「ええ? ほんとですか?」
ほんとほんと。なにこれ。
お互いひとしきり笑いあって仕事に戻ったけれど、何年もずっと隣どうしで働いているとなにかが通じてしまうのか。あるいは私の言動が読まれやすいのか。
なんだか面白い経験だった。

陽は中天を過ぎて 2nd season

第二人生。 ここから歩いていこう、 鮮やかな夕映えのなかを。 大丈夫、自分はまだ生きている。

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