池袋西口「のとや」ビル

健康診断なんていう機会でもなければ、足が向くこともない池袋。まったく縁のない街。しかも西口なんて何年ぶりだろう。
西武やパルコがばーんと構えていて、広いロータリーがあって、ロフトやサンシャインの方へと向かう人波が絶えることのない東口とちがって、西口は朝の通勤時間帯だというのに人通りもまばらで、お誂え向きに駅前正面になにやら古さげなビル。
屋上広告が撤去されて骨組をさらしているそのビルの壁には、むかし風の書体で「のとや」と書かれている。もしや昭和30年代・駅前旅館の生き残りだろうか、こんな繁華街の駅正面に。平成も四半世紀を過ぎたというのに?

…なんて勝手にどきときしていたら。
いまどきはなんでも検索できてしまうわけで、私の勝手な期待はすぐに打ち砕かれた。
竣工は1989年。
ぎりぎり昭和、というよりもはや平成元年。自分の眼力もたいしたことない。
だいたい、旅館の壁面がこんなに窓だらけなわけがない。
とはいえ、この外観は悪くない。へんな広告が乗っかってないだけ、味が出ているような。と、自己満足することにした。

陽は中天を過ぎて 2nd season

第二人生。 ここから歩いていこう、 鮮やかな夕映えのなかを。 大丈夫、自分はまだ生きている。

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