夢日記

先週末に見た夢がなんだか忘れ難いので、その備忘に。

自由恋愛で妃を選んだことで国民に人気のある第一王子のところと違い、いやその分だけ、第二王子の妃には従来の価値観による「きさき」像が押し付けられていたのだった。
彼女もそれをよくわかっていて常に自分を律し、人からの求めにもむやみには応じない。礼に外れることや王族としての品位を落とすことをおそれて慎重にふるまい、応じるならそれなりの対応を自分に課する。王族の古くからの慣習を守る砦は自分なのだという思い詰めた様子は、夫である第二王子が亡くなってからというもの、さらに顕著になった。
「王妃ですから」それが口癖だった。
(王子たちはみな「何某王」というものに封じられるので、その妃は王妃と呼ぶらしいのだった)
なにかの催しに臨席してきた王妃は、屋敷に戻っても凛とした姿勢を崩さない。もうだいぶ高齢となったが、しっかりと頭を上げて歩くからか、小柄なはずなのにそうは見えない。
私室に入り、周りにいるのが側仕えの女官数名だけとなったところでようやく王妃の口からため息が漏れた。
女官が王妃の肩に手をかけ、羽織を脱がせる。されるがままになりながら王妃がつぶやく。
「王妃が変なことするわけにはいかないのよ」
今日の催しでなにか納得のいかないことがあったらしく、まだ怒っている口調だった。
「夕食をいただくわ、お前たちは支度だけしてくれたら休んでいいです。よくやってくれました。ほんとうに、よくやってくれた」
言いながら茵にすとんと座った。
さして大きくもない茵に収まる程度の小さな身体。痩せたその肩に背負い続けてきたものを思い、女官たちはさっと膝を折り平伏した。謹厳すぎる雰囲気に、この屋敷に仕える女官たちは気を抜く暇もない。ほかの屋敷からは哀れまれているくらいだ。けれど、なんだかんだ言って最後はこうしてねぎらってくれるのだ。涙がでてきた。王妃の苦笑が気配で伝わる…

陽は中天を過ぎて 2nd season

第二人生。 ここから歩いていこう、 鮮やかな夕映えのなかを。 大丈夫、自分はまだ生きている。

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