仕事納め

リモートワークで今年の年末の出社率は大幅に低下。がらんと広い執務室には両手に満たないくらいの人がぽつぽついるだけで、すでに休みに入った人たちの席の黒々としたモニター画面ばかりが存在感を放っていた。
今日は朝から冷たい本降りの雨で、身体を縮こまらせながらの出勤だったけれど、お昼を過ぎる頃には雨も止んで日差しが出てきたので、当初の予定通り、神田明神へ年末詣に行くことにした。

新御茶ノ水の駅を出ると、鮮やかな黄色が目に飛び込んできた。
街路樹の銀杏はどれも落葉して裸になっていたけれど、駅前のこの一本だけがまだまだ葉を残していて、まるで乗降客を出迎えているかのよう。

で、ふと気づいたら、交差点向かいのJR御茶ノ水駅の建物がなくなっている…
丸善の前に移動してしまったらしい。
以前の古くて狭い聖橋口の建物はあまり好きではなかった。
が、こうやって本当になくなってしまうとそれはそれで淋しいように思うのは、御茶ノ水に学生の頃の思い出もあったりするからだろうか。

背中に日差しを受けながら、聖橋を渡る。
眼下の神田川に空の青が映り込む。
丸の内線の新型車両がゆっくりと川を渡っていく。
仕事納めの日が晴れていると、それだけで、終わりよければすべてよし、という気分。

神田明神に着くと、参道ではすでに初詣の屋台の準備が始まっていた。
ということは、うちの近所の神社でも同じようにもう屋台の準備をしている頃だろうか。
境内はこのご時世にも関わらず、けっこうな人出だった。
みんな、自分と同じように今年一年をぶじに乗り切った感謝の気持ちでお参りに来ているのかもしれない。
長い行列に並んで、順番待ちをしながら空を眺める。
今年もなんとか一年が過ぎた。
誰にとっても想定外の一年だったことだろう。
ここにきて有名人の訃報が重なったこともあって、病気も怪我もせず生き抜いてこられたことをありがたく思う気持ちが強い。
あれこれ願うことはあるけれど、生きていなければ何もできはしない。
生きていることは僥倖なのだ。
来る年が平穏なものでありますように。

陽は中天を過ぎて 2nd season

第二人生。 ここから歩いていこう、 鮮やかな夕映えのなかを。 大丈夫、自分はまだ生きている。

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