すれ違うもの

声はよくなるどころか、昨日よりもさらに枯れてしまい、ほとんど話すこともできない一日だった。生薬入りののど飴を舐めてみたり、白湯を飲んでのどを温めてみたりしたものの、簡単には治る気配もない。ときおり脚にへんな寒気が走るところからして、ひょっとするとこれは風邪なんだろうか。
微妙にMの気がある自分は風邪のひきはじめのゾクリとした感覚が案外好きだったりするけれど、いまはまずい… 風邪をひくなら新年の会やらなにやらが全部終わってからにしたい。
明日はマスクだな、嫌いだけどそうも言ってられないや、そんなふうにつらつら考えていたら電話が鳴って、母親が、私宛ての郵便物が実家に届いてるけれどどうするの? お正月休みに戻ってきたときに見る? と聞いてくる。
それは毎年この時期には必ず来る要件の手紙で、私の対応も毎年同じなのに、律儀に毎度毎度電話をかけてくる母。仲が悪いわけではないけれど、どことなくぎこちない親子なので、こんなことでもないと気軽に電話もできないんだろう。世の中には姉妹のような親子もいるけれど、うちは正反対だ。
人生の時間は短くて、その短い時間の中で一緒にいられる時間はさらに短くて、だから大事にしなくちゃと思うのに。頭ではわかっているのに、どうしても上手くできない。
そしてそのせいか、親はいつも電話では一方的に喋りまくり、話すだけ話すとじゃあね、と切ってしまう。私が口をはさむ余地もない。今日はさすがに声がひどいので母親になにか言われるに違いないと思っていたが、ついにひと言もそこには触れずに電話は切れた。
気づかなかった、のだろうか。
それならそれでいいのだけれど、もし、気づいていながらも言葉をかけられなかったのだとしたら。
それは私の顔色(電話だから声色か)を窺うあまり、なにも言えなかったということなんじゃないだろうか。… さすがにかわいそうになってきた。けれど親をひとりで引き受けるのは自分には荷が重くて。
身勝手だけど、いまは心の中で謝るだけで赦してほしい。

陽は中天を過ぎて 2nd season

第二人生。 ここから歩いていこう、 鮮やかな夕映えのなかを。 大丈夫、自分はまだ生きている。

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