夜の雲

海の底かと錯覚するほどの夜の中で僕は航路図を失い、
航(ふね)は慣性だけで前へと進んでいる。
航法など知らない。
どんな夜にもこの目に著(しる)く輝いていた北辰も、もはや見出せない。
手がかりを一切なくしても、航が動くかぎりは飛び続けられるのだろう。
けれどそれもいつまでのことか。
眼下の厚い雲の切れ間、夢のように地上の灯りがきらめいて、
僕はこのまま最期が来るんだとしても、
その時はこの景色を思い浮かべようと、
夢を見るように終わろうと、
そう願った。

陽は中天を過ぎて 2nd season

第二人生。 ここから歩いていこう、 鮮やかな夕映えのなかを。 大丈夫、自分はまだ生きている。

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