黄色い月

踏切を渡ろうとしてふと見上げた空に、どろりとした黄色い月が浮かんでいて、ぎょっとして息を呑んだ。
スーパームーンには一日遅れだけれど、低い空にかかった月は十分に大きくて、湿った空気のせいかぼんやりと輪郭が霞んでいた。
空の高いところにあるときは真珠の粒のように冴え冴えとして綺麗なのに、低いところにあるときはまるで卵の黄身を流したようで、ぞくりとする。
街灯で夜の明るい現代でさえこんなふうに人を驚かすのだ、灯りのない古代の人たちにはひどく怖ろしいものに思えたんじゃなかろうか…

陽は中天を過ぎて 2nd season

第二人生。 ここから歩いていこう、 鮮やかな夕映えのなかを。 大丈夫、自分はまだ生きている。

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