お酒が飲めない。

連休前の金曜日といえば、ワインでも飲みながらゆったりとした夜を過ごしたいもの。そう思ってデパ地下で甘めの白ワインを物色していたら、試飲ありますよ、と声をかけられた。
差し出されるままに、白ワインを3種類、ひとくちずつ飲んでみる。こうして飲み比べると、味の違いがはっきりしてどういうのが自分の好みなのかがよくわかる。
が。
白とはいえ辛口だったせいか? それとも夕方で空きっ腹だったせいだろうか。試飲したのはあわせてもグラス一杯にも満たない量だったのに、どことなくフワリとして危険な感じがしはじめた。
3杯目に飲んだワインのこっくりした味わいに惹かれてしばらく悩んだけれど、頭に何かを被せられたような感覚がしはじめたこの様子ではおそらく美味しく飲むことは難しいだろう、そう考えて結局そのまま店を後にした。
ほんの半年前は週末ごとにワインを1本は空けていたというのに、あれはなんのまぼろしだったのだろう。そんな御大層な味覚を持っているわけではないし、こだわりも強くはない、ワイン好きとしてはいわば初心者レベルではあったけれど、今度はどれにしてみようかとあれこれ選ぶのは楽しみでもあったのに。
調子に乗って飲みすぎた6月のあの日を境に、本当にこれっぽっちも飲めなくなってしまった。人には一生で飲めるお酒の量というものでもあるんだろうか。もし、その量を飲みきってしまったんだとしたら。あれが最後だったんだとしたら、慰労会なんかで周りを気にしながらザッザッとぞんざいに飲むのではなく、ひとりで、自分のペースでちゃんと味わいながら飲みたかったなあ…

陽は中天を過ぎて 2nd season

第二人生。 ここから歩いていこう、 鮮やかな夕映えのなかを。 大丈夫、自分はまだ生きている。

0コメント

  • 1000 / 1000