近郊風景
昼間はお三絃のお稽古で先生のお宅へ。
このあたりは近ごろマンションやアパートの建築ラッシュ。駅の改札を出るとたいてい、不動産会社の人が看板を持って立っている。先生のところに通い始めたころは、シャビーな工場が立ち並ぶ薄暗い土地だったのに、工場は数軒を残すのみとなり、お稽古に行くたびごとに、建築用のクレーンが視界に増える。
この一角は工場に隣接した三角地のせいか、草むらのまま。こういうところでクローバー探したりする子どもとか、まだいるのかな。
先生のマンションの手前にはまだ畑が残っている。そこそこ広い畑の周囲は杭で囲われ、杭の一本一本に照富久稲荷のお札が付けられている。
お稲荷さんが守る土地で、野菜が育つ。
こういう近郊農業の風景もこの街からはやがてなくなるかもしれない。
道路がすべて綺麗に舗装されてしまったように、整理された土地には人の家ばかりが並ぶようになるのかもしれない。
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