雨の休日

雨降りの休日ほどほっとできる時間はない。
掃除にも洗濯にも追い立てられない、
どこかに出かけないともったいないんじゃないか? なんて気持ちも起きない、
ただもう自分のためだけにすごせるという贅沢感。
さてせっかく時間があることだし、懸案事項をひとつ片づけることにした。それは、着物の半衿付け。来月着物で出かける用事があるので、直前にあたふたするよりはと思い、長襦袢を引っ張りだしてきた。
もう何度もやっているのに、針仕事がとてつもなく苦手な私には、この作業は苦痛でしかない。なにしろ玉結びすらまともにつくれないのだ… 現代に生きててよかった。戦前とか戦後すぐだったら裁縫のできない女性なんて肩身がせまい。
で、毎度のことながら参考書をじーっとにらんで、長襦袢のどの向きに半衿をどう付けるのか、首をひねるところから開始。
少しでも気を紛らせようとРадио РоссииをBGMに、アヤシゲなソ連懐メロ風の音楽が流れるなか、針をじつに不器用にちくちくちく。
あれ。糸が絡まったよ、もう…
やり直し。ちくちくちくちく。
ふーっ。
なんか息がとまってたな…
肩がこる。
それでも一時間半くらいでなんとか出来上がり。
これでとりあえずひと安心。
窓を開け、外の雨だれの音を聞く。
静かな雨の昼下がり。

陽は中天を過ぎて 2nd season

第二人生。 ここから歩いていこう、 鮮やかな夕映えのなかを。 大丈夫、自分はまだ生きている。

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