夢のあとで
「古代東アジアの女帝」入江曜子
古代史好きなので、聖徳太子の時代あたりから日本の天皇は女帝続きだということは知っていたのだけど、皇極天皇の時代に新羅では女王が相次いで即位していたことや、持統天皇と則天武后の治世がほぼ重なることは知らなかった。
歴史をほんの少し、一国だけの視野から横に広げてみると、けっこうおもしろい。学校で勉強するときは日本史、世界史と分かれているけど、その枠をこえる視点を自力で持てるかどうか。
本書の最後の二章でとりあげる持統天皇と則天武后の話を読んでいると、月並みだけど、人生の儚さという言葉がうかぶ。
たとえば日本を律令国家にするために、あるいは門閥が支配し男性が優位を占める唐の社会を変えるために、次々と二人は手を打っていく。
けれどもそこまで心血を注ぎ、反対勢力を粛清し、自分の子どもさえ犠牲にしながら成し遂げた事業が、その晩年には腹心の裏切りや、へつらいの言葉だけに取り巻かれる中で脆く崩れ去っていく…
最期の日々、この二人の胸にはなにが去来しただろう。
夢去りて佇む宮居に射す夕陽
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