夢のような音楽
北インド古典音楽ライブ。
扉に貼られたチラシにはそう書いてあった。
自分がお三絃をやっているせいか、民族楽器にはなんとなく惹かれてしまう。
で、インドの音楽などこれまで聞いたこともなく、どんなものかイメージすらないのに、ふらりとその扉の中へと足を踏み入れてしまったのだった。
見たこともない楽器が置かれていた。
壁掛け時計みたいな大きさの、やたらたくさんの糸巻きがついた楽器。
どんな音がするのだろう。
時間が来て演奏会が始まり、まずはこれがサーランギーという名前だと知る。
即興で演奏されるものだということ、でもラーガというテーマみたいなものがいくつもあって、そのラーガに基づいて演奏が展開されること…
今日は本当ならまだ梅雨の最中ということで、雨のラーガ。
雨のラーガはまた雨乞いのラーガでもあるのだとか。
奏者の人が指に白い粉をまぶして、調弦をしている、と思ううちに曲が始まっていた。
それはもう、夢を見ているような音だった。
三本の太い弦。
その下に張られた幾本もの細い弦。
太い弦は弓に擦られて、小さな音から大きな音まで、粒のようなくっきりした音から滑らかに歌うような音まで変幻自在。
細い弦は指で弾いて、きらきらとした音色を添える。
即興といいながら一曲がやたらと長いけれど、くるくると変わっていく景色に長さを感じなかった。
本当に夢のよう。
ライブが終わって、とりあえず楽器の写真を撮らせてもらった。
近づいて見てみる。やっぱりごつい。置物みたい。それに弦ががっちりと太いように見えた。これを弾くのは痛いんじゃないのかな…
色々聞いてみたいこともあったけれど、会場が撤収モードだったのでそれは自粛。
それにしてもたまたまこんなライブに行き会えてよかった。
備忘を兼ねてリンクを。
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