一瞬の光芒

「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」加藤陽子

日清戦争から第二次大戦まで。
それはよくよく考えてみると、たった百年にも満たない時間だということに気づく。宇宙が瞬きする程度の、ほんの一瞬の間のことだ。
そのほんの一瞬にこの国はひとつの人生を生きた。そこには膨大な人々の人生があり、政治家や軍人たちの思惑があり、過去の出来事と現状の予測や判断とが連関して次の歴史が動いていく。
著者の加藤先生が中高生を相手に行った特別講義をまとめた形の本書だが、ここで提示された話題は一度では消化しきれないほどの量で、世界史の授業では年号やら人名やらを詰め込んだ記憶しかない自分としてはこんな講義を受けるチャンスのあった学生が羨ましい。
歴史は決して暗記科目ではない。たしかに覚えなくてはならないことは多い。けれど、その覚えたことに基づいていかに過去の出来事を解釈するのか、いかに現在の事象に生かすのか、それが歴史という科目の眼目なのだと思う。それはひたすら英単語や英文法を覚えるのが、いつか自分の思うことを英語で発言するための基礎作業であることと同じだ。
残念ながら歴史も英語も暗記科目としてこなしただけの自分には物事をふかく考える力が不足していて、加藤先生の魅力的な話にもかかわらず、今回はとりあえずなんとか読み切ったというだけ。手元に置いて、折々考えるよすがにしたい。

陽は中天を過ぎて 2nd season

第二人生。 ここから歩いていこう、 鮮やかな夕映えのなかを。 大丈夫、自分はまだ生きている。

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