送り盆
この連休は天気がよくないと聞いていたのに、目が覚めてみればカーテンの隙間から明るい日差しが差し込んでいて、窓を開けたら今年初めての蝉の声。
昼前に家を出て実家にむかう。
いつもの休みのときよりも早めの時間に実家に戻ったのは今日が送り盆だから。少しでもはやく実家に着いて、たぶん来ているはずのご先祖さまたちに顔を見せたい、とそんなふうに思うのは自分が年を取った証拠かもしれない。
迎えるときは早く送るときは遅く、ということで、うちではいつも3時を過ぎてから送り火を焚く。集合住宅なので、玄関先で焚くわけにもいかず、いつも精霊棚がわりのちいさなテーブルのまえで井桁に組んだおがらに火をつける。
ぱちぱちと音を立てて不規則に燃え上がる炎に「ああ、今年も満足してもらえたかしらねえ」と親がつぶやく。
部屋にこもる送り火のおがらの匂い。
もの悲しさに目の奥がツンとする。
さようなら。また来年。
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